私のお気に入り紹介 ~美術館編Vol.3

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こんにちは。前回ブログ更新してからあっという間に1か月(笑)。はっきりしない天気が続いていましたが、これからは暑くなりそうですね。

今回は、第3回目です。

施設名:海の博物館

場所:鳥羽市

設計:内藤廣

写真1 展示棟外観(アプローチ)

今回は、美術館ではなくて、博物館を紹介します。鳥羽市にある海の博物館。

名古屋に住んでいた10年以上前に初めて訪れていますが、シンプルな建築の構造の美しさやトップライトからの光がとても印象に残った建物です。

敷地内にはいくつかの建物が展示や収集の内容によって、分散して配置されていますが、その中で、最初に目に飛び込んでくるのが展示棟。この外観は黒色の板貼りと切妻の大きな瓦屋根が特徴的です。

展示棟は、約6万点の所蔵資料から海に関する資料をはじめ、漁具や漁民の生活を展示しています。

木造の架構がそのまま内部の仕上げになっていて、古い民家のように建物を支える構造が一定のリズムで造られていることがすぐにわかります。この建物は、何となく、魚の骨のようでもあります。

内藤廣さんの建築は好きで、いくつか見ていますが、どの建物もシンプルで美しい骨組みの建築を設計しています。この建物は初期の頃の作品で、原点のような位置づけになっているそうです。

写真2 展示棟内部。木造の骨組みが連なる

それから、このトップライトの構造がやっぱり美しいなと思います。

写真3 展示棟のトップライト

展示棟は2つあって、2棟は同じ構造形式で造られています。

その建物に囲われるように中庭(池?)があって、展示と展示の間で一息つくための空間となっているようです。

写真4 中庭(池)

次に、収蔵庫です。

収蔵庫はプレキャストコンクリート造です。

外観も展示棟とは異なり白い壁で、まとめられています。

写真5 収蔵庫へのアプローチ

こちらには、木造の船などが所狭しと保管されています。

作品保護のため、館内の照明は暗く洞窟の中のような感じもあります。

ここでも展示棟と同様に、建物の構造がそのままむき出しになっています。室内には、一番端に階段があり、上ると展示物を全体的に眺めることができます。

天井から吊るされた照明器具も特徴的で、反射した光がやわらかに内部を照らしています。

写真6 収蔵庫内観(階段からの眺め)

コンクリートの堅さや重さをあまり感じさせないすっきりした印象があります。どことなくアーチの感じが、第一回目で紹介したルイスカーンのキンベル美術館にも通じるものがあるような気がしました。

内藤作品は、静岡だと草薙の新体育館やとらや御殿場店、とらや工房などは気軽に行くことができると思います。機会がありましたらこれらの建物も訪れてみて下さい。

今回はこの辺で。

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